今の時代に適応した展示館~立教学院展示館

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先日、池袋の立教大学キャンパス内にある「立教学院展示館」にお邪魔しました。以前図書館として利用されていた「メーザーライブラリー記念館(旧図書館本館旧館)」の2階を改装してこの5月にオープンした新しい展示スペースです。お忙しい中、展示館事務室の豊田 雅幸様にご案内頂きました。
旧図書室の雰囲気も残しているミュージアムライブラリーのフロアーは、学生のラウンジとしても解放していますし、重厚な書籍棚は、じつは可動式で、配置を変えることによって企画展示やミニ講演などもできるフリースペースともなっています。
2階の3分の2のスペースを占める常設展示は、学院の創立から大学設立、築地から池袋へのキャンパス移転、戦後の発展から現在に至るまでの流れを、省スペースながら、重層的に追体験できるものとなっています。 これらの展示に使われているコンテンツも、これまでの年史制作や日頃の地味な研究から得られた確かな情報をバックボーンとして制作されているものですので、丸投げしてしまってお金だけがかかって薄っぺらな作りとは異なり、さすが最高学府の展示館と唸るものがあります。

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たとえば過去の写真も、ディスプレイで画像データを見るデジタル的な見せ方なのですが、構内図にしても俯瞰情報から、撮影した向きや方向を把握したうえで、スムーズな視点の移動で画像にアクセスできるので、その画像を選んだ意図を明確に感じ、納得しながら閲覧していくことができます。これは、ただ漠然と並べられた昔の写真を見流すよりも、スリリングな心持ちで画像コンテンツと対面できます。これなら見ている人もアクセスしやすく、またすんなりと過去の世界に入りこむことができると思います。なんでもアナログな現物だけが、見る人の興味や情緒に訴えかけるわけではないんだな、ということがわかります。何よりも平置きディスプレイひとつ分のスペースで、何十枚の画像コンテンツにアクセスできる、省スペースさは軽快です。展示のコンセプトを咀嚼したうえで、しっかりとデザインされているなと感心しきりでした。
展示ケースの見せ方も工夫があります。展示台の上にアクリルケースに入った資料があるのは普通ですが、その下に関連資料を見られる収納引出が付いていて、これも展示ケースになっています。一つのスペースに縦方向の展示スペースを作る試みがされています。これも少ないスペースで、より多くの展示物を、という工夫です。
可愛らしい立教小学校の開校当時の入学式風景のジオラマも、その喜びを再現しようと、小さな人形の表情や、デフォルメも気を使いながら制作したもので、印象深い出来栄えです。
まさしく「自校史学習の場」として、立教学院に在籍する児童・生徒・学生が見るだけではなく、OB・OGから父兄、または周辺の地域の方など、内外問わず閲覧できる場所です。池袋キャンパスの発展も、現在の構造物に、時系列でレイヤーの画像を重ねて表示することによって、周辺道路や校内の建物の変遷を時を追いながら把握できる展示物もあります。ああ、大学というのは地域と共に発展してきている、と言いますか、大学と地域の発展は一体化して、切っても切り離せないものなのだな、ということが実感できます。
デジタルのインフラとアナログな情報コンテンツを融合しながら、より良いユーザーインターフェースを貪欲に追求した試みは、わくわくさせられました。

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基本、展示されている資料は複製物で、当面は原則として、一部の例外を除いてオリジナル(現物)は置かないようにする、ということです。複製物の製作だって、けっこうなお金がかかります。そう頻繁な展示替えは出来ないでしょうが、それもオリジナルの保存のほうに重きを置いているうえでの方針ですので、やむを得ないところでしょう。

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記念館の窓は普通のガラスですのでUV対策が必要ですが、それでもこの記念館の雰囲気を壊したくないというところで、窓はそのまま、天井からロールスクリーンを垂れ下げて穏やかな日差しが感じられるようになっています。このロールスクリーンも、UVカット性能が比較的高い素材を選んで使われているとのこと。完璧に対策するあまり、無粋なものになってしまうより、性能的にベストではなくてもよりベターな選択をあえて取り、展示館の雰囲気を保つという戦略的な判断で、展示の意図がより明確に伝わるものと思います。

立教学院展示館事務室では、今後もOB・OGや学院関係者からの過去の資料の受け入れを続け、より厚いアーカイブ情報の蓄積とオリジナルの保管をしていく動きを続け、よりスムーズに運営できるように整備を進めて行かれるとのことです。その整理には、弊社のスマファイ・アイテムも活用の場を頂いております!

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