ジクレー版画技法を用いたスペシャルな複製制作

いつもは修復作業(おもにリーフキャスティングですが)やら、修復外の話題など(そっちのほうが多いかも…)気まぐれにアップしておりますが、今回は変わったところで「複製」の事例紹介です。
普段、複製を作成する場合は、劣化症状の進んだ資料ばかりなのですが、今回は、ちっとも傷んでいない健康な資料が対象でした。それもそのはず、昨年、駿河台大学が文部科学省から授与されたばかり賞状が対象なのですから。
制作は今回もジクレー版画技法です。(詳しくは弊社Webの「TRCCのジクレー版画技法の複製について」を参照下さい)

上(左側)がオリジナル、下(右側)が複製

この賞状は、世界的規模のスポーツの競技会において優れた成果を挙げた選手のスポーツ活動に対し、多年にわたる支援を行ったということで、「スポーツ功労団体」として、駿河台大学が文部科学大臣から表彰された賞状です。
〔駿河台大学では、2014年のソチパラリンピック 回転で金メダル、滑降で銅メダルを獲得した鈴木猛史選手を2011年から職員として迎え入れ、競技のサポート事業も行なっています。〕
賞状のオリジナルと複製を並べておりますが、ほとんど瓜二つの出来となっているのがわかってもらえると思います。

 

左下がオリジナルの装飾、右上がシルクスクリーンの技法で表現した複製

この複製で一番の目を引くポイントは桐紋(五七桐)の装飾部分です。
この金の部分はジクレーの技法での表現では限界があり、オリジナルの装飾にあるような光沢の表現は難しいところです。そこで、ジクレー版画工房の竹内社長から、シルクスクリーンの技法を組み合わせたハイブリット制作を提案されたのです。
果たして複製が出来上がり、仕上がりを確認致しますと、あらあらビックリ、きれいに装飾部分がプリントされております。おまけにレリーフの表現までしっかり再現されているから驚きです!オリジナルの金の色合いとの差異は当然ありますが、額に入れて壁に飾られるのであれば、これはオリジナル?と見まごうばかりとなるでしょう。
インクには真鍮の粉を材料に使用し、レリーフ部分はインクを盛り重ねて表現してもらったようです。ちょっとスペシャルな複製が出来上がりました。
さてさて、装飾部分のみに焦点を当ててしまいましたが、忘れてはならないのが賞状の地合いの色の表現です。当たる照明の種類で色温度の高低によって色味が変わりますし、出力の際のカラーバランスの微妙なさじ加減も必要で、より「本物らしく見せる」のが難しいのです。ここは制作者の技術と経験が物を言うところです。
ご覧のように、オリジナルと比べても違和感のないところの色合いに収めてもらっております。文字の表現も合わせて、このあたりの仕上がりは、いつものとおりのグッジョブな、さすがの出来栄えでした。

ちなみに複製はこちらで額装致しまして、後日納品となります。今回の複製の製作は2点でしたが、ジクレー技法の複製の良いところは、必要があれば後日でも複数枚の追加制作ができる点です。

ところで、いつも高精細な複製制作をお願いしている竹内版画工房ですが、もちろん本格的な複製版画を作成するお仕事が本業ではございますが、その技術を惜しげもなく注入した、かわいいサイズ(B6 程度の大きさ)のインテリア絵画の制作も行っていて、最近「プチ絵画工房」というネットショップを開店しております。
「手作り一点物プチ絵画」と銘打っておりますが、本格的なジクレー技法と天然水晶粒を表面にコーティングするシルクスクリーンの技法を組み合わせた、なかなかのインテリア絵画となっております。今は10点のみの出品ですが、これからどんどんアイテムを増やしていくとのことです。ご興味のある方は、アクセスしてみて下さいませ。

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