文化財防災ウィールに続くガイドについて

先月文化財防災ウィール製作について取材を受けました。文化財防災ウィールとは2004年7月に文化財保存修復学会が監修して発行されたもの。東日本大震災の直後から紹介されることも多くご存じの方も少なくないと思います。元々TRCCでオリジナルのアメリカ版Emergency Response and Salvage Wheelを日本に紹介、翻訳してアメリカ側の文化財保護団体Heritage Preservationと日本語版発行の交渉をしたということで「ウィール製作の経緯ならTRCCに」と学会からの紹介でお見えになりました。
お客様は大学図書館の司書3名。
彼女たちは東日本大震災が発生する1年以上前に、同じHeritage Preservationが製作したField Guide to Emergency Responseという災害対応のガイドを知り、まさに図書館員に必要な内容ばかりでこの日本語版があれば便利で有益だと思い有志で翻訳を進めていたとのこと。そうこうしている内に東日本大震災が起こり、メンバーの異動などで翻訳作業は中途になったそうです。今回、日本版をどうするかということで相談に来られました。

Field Guide to Emergency Responseは直訳すると「緊急対応の現場ガイド」。災害時にどのような緊急対応をしたら良いか事前にまとめておくための記入式リングノートで、DVD付きで具体的な備えがコンパクトに紹介されています。つくづくリスクマネジメントに関してアメリカは常に先を行っているなぁと感じます。5ヶ国語に翻訳されたWheelの次は、より具体的な緊急対応のガイドブックとDVDを製作することで、緊急対応と同時に博物館、図書館、文書館、大学等の関係者に、災害の備え:Preparednessの大切さを普及させるための努力がなされているのです。私もアメリカの大学図書館に勤める友人から、「アメリカの図書館ではPreparednessに最も力を入れていてとても熱心に活動してるよ」と聞いていましたが、あらためてField Guideに目を通すとそれがよくわかります。

今回3名のライブラリアンの訪問によって、いつも思うことをあらためて考えさせられました。「災害時の備えをどう実践するか」ということ。資料保存の分野では苦手とされている気がします。この件はとても大事なトピックなのであらためて続きを書きたいと思います。

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