「アーカイブズ」カテゴリーアーカイブ

アーカイブのリハウジング

唐突ですが、アーカイブ資料のリハウジングってご存知ですか?私は昨年度知ったのですが、スマファイ・マインドにビビッときたので紹介します。

実は昨年度後半は国立公文書館で特定歴史公文書等の劣化状況等に係る調査研究というお仕事に取り組んでいたため、全然ブログにスマファイの近況をアップできませんでした。調査研究結果は館のHPに公開されました。調査の目的は資料の劣化破損の度合いを数値化することです。館として客観的な数値に基づいた脱酸や修復、代替化などの具体的な対策を計画、実践するというミッションの基礎データにするためです。

1)劣化資料→【脱酸】2)破損資料→【修復】3)劣化破損甚大・利用頻度が高い資料→【代替化】といった図式が予想されていましたが、実際の結果では、4)破損度は高くないけれども今のままではとても扱いにくい資料に対して、上記の3つの対策以前の処置として【リハウジング】という対策が浮上しました!

リハウジングという考え方は、今回の調査の現場主任者でアメリカの大学図書館のConservation Librarianをしている日沖和子さんが収蔵資料のコンディションからその有用性を強く感じて提言してくれたものなんです。
初めて聞く用語でしたが、欧米のライブラリーやアーカイブでRehousingといえば通じる基本的処置とのこと。簡単にいうと「資料の形態を変えずに、収納を改善して使いやすくし、破損や汚損などを取り除くこと」です。これなら無理なく取り入れられます。おかげで、調査報告書にもリハウジングを対策のひとつとして加えることができました。

p45 図表5-8より
p45 図表5-8より

ラボの図書室の本を調べてみたら1990年のThe American ArchivistのPreservation特集の本にRehousingについての言及がありました。記事にはArchival PreservationとしてPrevention(先行予防)の実践例としてRehousingが挙げられてます。ネット検索でもアーカイブ資料のリハウジング例はいくつもありました。 ちなみに日本語のリハウジングの検索結果は家のことばかりでした((+_+))

店長としては、リハウジングはスマファイと通じるものがあると感じています。スマファイは残したい資料を人が気持ちよ~く使えるように保存するのをサポートするファイリング用品なので、リハウジングの収納改善にお役に立てると思うからです。

公開されている調査報告書の中でリハウジングに言及しているページはp42,43,45,50,89,93ですので、探してみてください(^^)v →特定歴史公文書等の劣化状況等に係る調査研究業務報告書

こどもが自分で整理・こどもアーカイブ

大学や文学館のスマファイを使ったアーカイブに引き続き、今回 社会福祉法人やまぶき会・ひのはら保育園の事例を紹介します。

東京都西多摩郡檜原村にあるひのはら保育園は、モンテッソーリ教育に基づいて、子供自ら選ぶことから育つ「自主性」、出来たという「達成感」を毎日繰り返すことによって、「自分の生きる力」で自分を形成していく環境の実現を目指している保育園です。新しい園舎は地元の木材をふんだんに使った建物で、木の香りとぬくもりに包まれて、あたらしいのに懐かしさと安心感をあたえてくれる理想的な園舎です。 この保育園では5,6歳児にA4のスマートファイルボックスを使ってもらっています。女の子はベニ花素材のピンク色、男の子はササ素材の緑色です。段ボールの素材や形状の特長について事前に担任の先生に説明してお渡ししました。そして3週間後に再訪問しました。

いやいや、ボックスは園児の整理箱として、日頃の活動の一環にすっかり根付き、園舎のお部屋の風景にも溶け込んでいました。 ボックスの好きなところに名前や絵が書いてあります。 自分の制作したものは、自分のボックスに納める。自分で運んできたボックスを自分の小さな手で蓋を開けて、個別フォルダーを引き出して、描いたものをフォルダーに納める。終わったらきちんとボックスの蓋を閉めて、また自分でボックスの置き場所に戻す。園児は自慢げに広げて見せたり、「このはこは、ちょっとぬれてもだいじょうぶなんだよ!」と、先生から伝えられたことを教えてくれたり。 こんな小さな子供たちに『この箱に入れておくと長持ちする』という私たちのメッセージがちゃんと伝わっていて、期待以上で本当に驚きました。

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スマートアーカイブ!(大学アーカイブ2)

國學院大學図書館でのスマートファイリングの導入事例をご紹介します。対象資料は、「井上匡四郎文書」という戦時中の研究動員会議・科学技術審議会関係の原史料が完全な形で収蔵されており、他ではみることのできない貴重なものです。
1万点以上に及ぶ大量の関連資料は、角2の茶封筒に納まって棚にそのまま置かれ、保存されています。それらをスマファイシリーズのアシッドブロックライトのA4ファイルボックスを使って、保存を兼ねながら利用の際のストレスを無くす試みをしています。現在は入れ替えの途中で、茶封筒のまま箱入れを進めています。

今月の初めに大学に行ってきました。図書館の古山先生の授業の中で、弊社のペーパーコンサバターの児島聡が学生に紙資料の保存や環境の講義をしました。みな熱心に聞いていて感心です。講義の最後は、図書館に移動。古山先生が井上匡四郎文書を説明しながら茶封筒から出して見せると学生がググッと乗り出してきます。その後、みんなで井上文書を入れるファイルボックスを組み立てました。児島が手本を見せて一斉に組み立てスタート。早くて、丁寧で、要領がいいのはやっぱり女子です! 学生さんにとって実際に保存容器を作るこの作業を通じて、保存の話が記憶に残るといいな~と思います。

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こどもアーカイブの試み

こどもアーカイブを試みています。スマートファイリングシステム(スマファイ・システム)に取り組み始めた頃から、「個人的にこの箱にどんなものが残っていると嬉しいか」ということを社内でよく話し合いました。いつも出たのが、自分が子供の時に描いた絵とか作文、答案用紙とか、自分の幼い頃の記録の断片が残っていたらいいなと。昔は絵が得意だったとか賞をもらったとか特別な理由がない限り子供の頃のものって親もなかなか残してません。残っていても大掃除や引っ越しで捨ててしまうことが多い。なぜか?段ボール箱につっこんだり丸めたりして、ちゃんと保管してないからです。茶色くボロボロになって埃や虫の糞だらけでゴミ扱いにされちゃうから、なっかなか残らないのです。

で、スマファイのファイリングボックスでそんな思い出を残すお手伝いできたら最高だと考えました。スマファイ・ボックスは、添加物を含まない段ボールで箱の中は長持ち環境、エコ素材で軽くて蓋もあるから、これに入れたらバッチリ長持ちさせられます。どうやったらスマファイ・ボックスに入れてもらえるか。一人一箱あれば十分なんです。子供の成長過程の中で出てくるものをどうやってとっといて、いつスマファイ・ボックスに入れ替えるか。卒業までためてから?どこにおいて、誰が入れ替える?それが面倒だから捨てちゃうのに、、、、((+_+)) 

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スマートアーカイブ!(大学アーカイブ)

日本女子大学成瀬記念館の最新のファイリングをご紹介します。
創立者成瀬仁蔵氏の蔵書など学園史を中心とした資料を整理、保存している収蔵室を訪問して学芸員の岸本さんに案内してもらいました。A3スマートファイルボックスを使ったアーカイブの整理方法でとっても参考になると思います。

奥の移動書架の上から下まで大きな段ボール箱が納まっているのが目につきます。目録作成中の「成瀬仁蔵アメリカ資料」の整理が済んだものが大きな段ボール箱に8箱ありました。625点分で、主に簡易製本や上製本の大小の書籍や小冊子をB4の透明の袋に納めて立てて箱に詰めていて、中の資料の状態が見えてきれいに整理できています。整理方法はよいのですが、資料が入ると箱がとても重くなってしまって出し入れが大変で、とうとう腰を傷めてしまったとのこと。持ってみましたが10kg以上あり(かなり重いです)、せっかく整理したのに容器が大きくて重いと女性にとっては使い勝手が悪くなってしまいます。特に上段の箱を取り出す時は、3人がかりです。 資料整理の経験者や図書館の方はよ~くご存じだと思いますが、和紙の古文書と違って洋紙の本は箱にたくさん納めると重くて持ち上げるのに難儀します。しかし、重くなるのはわかっていても箱にスペース空くのはもったいないのでつい入れ過ぎてしまいます。

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パリ便03 国立公文書館に行ってきました。

滞在4日目に国立公文書館を訪れました。マレ地区(東京に例えると代官山のようなおしゃれなエリア)の中心にあり、Musee de l’Histoire de France Archives Nationalesと表記されています。7月のパリはソルドといって夏のセールの真っ最中。マレでお買い物を楽しんだ後公文書館に寄ってみました。

建物はクラシックな歴史的宮殿で、資料展示は照明を落としたショーケースの中にパーチメントや古い手漉き紙にインク書きの古文書や手稿類や絵画。目玉は太陽王ルイ14世、ナポレオン、ジャンヌ=ダルク、マリーアントワネットなど重要な人物に関する古文書らしいのですが、キャプションがフランス語でよくわかりませんでした。調べたところ、フランスの国立公文書館は1794年に法で設置が定められて、1821年には国立古文書学校も設立され卒業生は専門官として国内の公文書館に配属されているとのこと。長い歴史があるようです。

珍しいことに、メイン展示室の一角に古 文書と現代の保存箱の書棚が再現されていました。その箱は無印良品でみたことのある「コシャーさんの箱でした!実際に見るとレトロな作り。段ボールでなく厚ボードのシェルボックスで側面をステープラーで固定した簡素な構造で蓋と身は一対の紐を結んでファイルボックスとして縦置きしていました。箱を引っ張って取り出すための紐(英語ではHandling strapという)が箱の底部に付いていて機能的。ステープラーで綴じた感じが昔っぽいし、紐で結ぶのもヨーロッパのアーカイブズによく見られる伝統的なスタイルでいい感じでした。 他から見たらこういう古臭い箱を使い続けるのはフランス的なんでしょうね。(パリ在住の友人や修復家もそういってました)

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パリ便02 建築アーカイブズもアポ取れず

パリ滞在中にもう1か所訪問予定だったのが建築アーカイブズです。しかしまたしてもアポの確認がとれず行けませんでした。この点今回パリはツイてなかったです。日本から建築アーキビストを通じて連絡を入れていてギリギリになってメールが来ることがあるからと言われロンドンでも待ちましたが、ダメでした(;O;) イギリス同様、フランスの建築アーカイブズの取り組みは進んでいると聞いていたのでフランス建築協会にある20世紀建築アーカイブズも訪問したかったので残念!

で、建築文化財博物館Cité de l’architecture et du patrimoineには行ってきました。解説文によると、、、、

≪建築ではヨーロッパ最大規模の博物館。1階はフランス各地より集められた歴史的建造物の実物大の複製展示がメインで、パリにいながらフランス各地の世界遺産を体験できます。また2階は近代建築のフロアとなっており、有名建築家の設計図や資料、近代建築の父と呼ばれるル・コルビジェがマルセイユに作った共同住宅の部屋の実物大模型など、興味深い展示物がたくさんあります。略≫

以下は私の感想です。

歴史的建物の一部がそっくりそのまま切り取られている様子は一見おかしいようなのですが、赤い壁面に大胆に展示させていて意外と楽しめました。普通なら建物の高いところにある彫刻などを目の高さの近くで見ると迫力が伝わり面白かったし、きっと複製が安っぽくなく完成度が高いからだと思います。(展示室のレイアウトが複雑で私には館内マップもわかりにくく、)展示室を出たり入ったりしているうちに迷うのですが、教会の天井画や祭壇、ステンドグラスなどにひょっこり出会ったりして、中世の街に入り込んだような感覚になったりしました。

特筆すべきは、2階建築文化財博物館の中からの南側の窓からドーンとエッフェル塔が見えるのですが、その眺めがほんとにきれいでした。視界を遮るものもなく観光客もいないので写真撮影にバッチリです。個人的には、お尻が大きくて安定感のあるエッフェル塔の方がスリムなスカイツリーより好きかな。