「マスコンサベーション」カテゴリーアーカイブ

ユーザー紹介【立教大学共生社会研究センターさま】 

昨年2015年からスマファイを使っていただいている立教大学共生社会研究センターさまを訪問しました。

共生社会研究センターは国内外における多様な市民の社会活動に関する資料を収集整理、保存、公開し、研究の促進を図るセンターとして、2010年4月に立教大学の池袋キャンパス内に設立されました。
所蔵資料は、埼玉大学共生社会教育研究センターが所蔵していた国内外の住民運動・市民運動機関誌コレクションを母体とする約26万点の資料群のほか、「ベ平連」関連資料、川崎製鉄大気汚染裁判資料、練馬母親連絡会資料、さらには宇井純氏や鶴見良行氏の個人資料などで、戦後の市民活動の記録として他に類を見ない、膨大な資料群です。資料検索のデータベースを整備し、学内および一般の方に利用されています。(参照:立教大学共生社会研究センターWEBサイト

案内してくださったのはアーキビストの橋本陽さま。
移転を機にスマートファイリングをスタートされた事例として、ご紹介させていただきます。

整理が終わった浜岡原子力発電所関連資料を拝見しましたが、スマファイのA4とA3ファイルボックスが書架にきれいに納められていました。(①受け入れ→②封筒で整理→③スマファイで整理)

まさにスマファイのイメージ通りにリハウジングされている様子に感動しました! 私は研究者ではないので主役である資料にではないですが(^^ゞ
こちらの整理方法はシンプルです。
1.連番に整理された資料をスマファイ個別フォルダに入れる。
2.タブに資料番号、タイトル、箱番号を鉛筆で手書きする。
3.スマファイのファイルボックスに個別フォルダを手前から順に入れる。
4.ボックスの側面に資料名、箱番号、資料番号を鉛筆で手書きしたラベルを貼る。
5.排架する。(一般的な棚幅85㎝に9箱納まるサイズです)
元々茶封筒などに整理されてパンフレットボックスに立てていたのをファイルボックスに入替えるリハウジングです。

●封筒から個別フォルダに変えたのがリハウジング・ポイント♪封筒だと、当然中身を見るには資料を袋から引っ張り出してまた突っ込んで戻すというプロセスが伴い、資料が傷める可能性があります。封筒も長年使っていると角がクシャと折れたり破れたりしてきますし。
個別フォルダの場合、フォルダ自体が180度全開するので資料を直接袋から引き出さないで済むので、資料を傷めません。箱の中でチョコッと開いて資料を覗いてみることもできます。アーキビストやスタッフが扱うなら個別フォルダから資料がはみ出したりして資料を傷めるようなことはまずありません。もちろんガサツでおっちょこちょいな閲覧者には注意が必要です! 近現代資料の資料整理には、個別フォルダは便利です。

●箱ラベルや個別フォルダのナンバリングが鉛筆なのも嬉しいリハウジング・ポイント♪
鉛筆で手書きだと、文字数や文字幅も自由に調節できます。例えば「〇~〇は別置」といった情報も箱にちょこっと書き込んでしまえてわかりやすい。資料整理していると、資料が後から追加されたり番号がずれるというのがしょっちゅう。鉛筆書きだとすぐ直せます。誰かに見せるとか完成リストがあるとか特別な理由がなければ、ラベルは手書きのほうがよいと私は思います。そして手書きは記憶にも残りやすいですしね。もちろん整理が済んだらきれいなラベルを貼ってもよいですね。
オーディオテープも何100本もあり、それらもスマファイの容器で整理されています。

私自身、共生社会という言葉は「障害者との共生」というイメージでしたが、webでいろいろ調べてみたら、それは一部で、子供、老人、男女、障害者、外国人など全ての人々が社会から阻害されることなく人間として生きることができる社会だそうです。それが脅かされることで市民運動がおこり、その過程で生み出された一次資料の存在の重要性に今更ながら気づかされました。今回資料整理の現場で、様々な歴史資料がストレスなくファイリングされて収蔵庫にならんでいる様子をみて、私には容器の中で手書きやガリ版刷りの古い資料が利用されるために静かにスタンバイしているように思えてなりませんでした。

橋本さまに1年前にスマファイを買う当時の話をお聞きしました。
「2015年4月に現在の建物に移ったのを機に、排架の整備と保存容器の入替えのために、容器を探しました。以前ある方から資料整理用のファイルボックスセットがある、しかも安いと聞き、使えるかもと思いました。自分たちが所蔵する資料は量が半端なく多くこれからも収集は続くうえに、コスト面から高価な中性紙箱だけでの対応は難しく、また近現代資料のザラ紙や酸性紙への温湿度変化、光、ホコリの影響を少なくしたいので、蓋があるスマファイのファイルボックスはちょうどよいなと思い、webでみてメール照会しました」とのこと。そしてお隣の立教学院展示館でスマファイ容器を使っていることをご案内するとすぐに実物を見に行かれました「立教学院展示室では、スマートファイルボックスが非常にきれいに配列されていて感動しました。またサンプルとして1箱貸してくださり非常に参考になりました」と橋本さまからすぐメールいただき嬉しく思いました。百聞は一見に如かずですね。
最終的に、研究センターの皆様で資料の数量、排架スペース、扱いやすさや価格などを考慮し、スマファイのファイルボックスを選んでいただいたとのこと。まさに、アーキビストによるリハウジング実践例だと思います。
アーカイブ資料をリハウジングすることは、容器を上手に使って扱いやすく保全して資料を長持ちさせることなので、資料収集機関に不可欠だと思います。久しぶりのお客様紹介(スマートカスタマー♪)なので長くなりましたが、理想的な資料整理ファイリングを実践されているので、詳しくご紹介させていただきました。

続・文化財防災ウィールに続くガイドについて

さて、Field Guide to Emergency Responseの日本版をどうするかという話の続きです。

せっかくできた日本語訳を活かせないものかと3名と一緒にアイデアを探る過程で、私が驚くと共に嬉しく思ったのは、アメリカのField Guideに関心を持ち全文翻訳したライブラリアンのグループがいたことです。そして「図書館に災害時の行動マニュアルがない」「大震災があった今もなお災害対策を見直して備える気配がない」ことに危機感を持っておられます。実際に翻訳してみた感想として、アメリカ的な内容も多く見られるため日本の実情に合った形にする必要があるそうで、自分達だけでは困難そうとのことです。ウィールの時のようにTRCCで翻訳した日本語版を文化財保存修復学会が監修するといった形を取れたら理想的なのですが、翻訳者としてもまだ考えがまとまっておられないようです。

   彼女たちに代わってField Guideの構成を簡単に紹介すると、、、
冒頭でガイドの使用方法の説明があります。特長的のは、インデックス付の4つのページ。①組織内の緊急連絡先、②必要な物の場所や優先順位、③保険や外部業者の連絡先、④物品チェックリスト、は記入式で全て空欄に書き込んで初めて完成です。
   本文は4部構成でほとんどが箇条書きで簡潔な文章です。

文化財防災ウィールに続くガイドについて

先月文化財防災ウィール製作について取材を受けました。文化財防災ウィールとは2004年7月に文化財保存修復学会が監修して発行されたもの。東日本大震災の直後から紹介されることも多くご存じの方も少なくないと思います。元々TRCCでオリジナルのアメリカ版Emergency Response and Salvage Wheelを日本に紹介、翻訳してアメリカ側の文化財保護団体Heritage Preservationと日本語版発行の交渉をしたということで「ウィール製作の経緯ならTRCCに」と学会からの紹介でお見えになりました。
お客様は大学図書館の司書3名。
彼女たちは東日本大震災が発生する1年以上前に、同じHeritage Preservationが製作したField Guide to Emergency Responseという災害対応のガイドを知り、まさに図書館員に必要な内容ばかりでこの日本語版があれば便利で有益だと思い有志で翻訳を進めていたとのこと。そうこうしている内に東日本大震災が起こり、メンバーの異動などで翻訳作業は中途になったそうです。今回、日本版をどうするかということで相談に来られました。 続きを読む 文化財防災ウィールに続くガイドについて

パリ便01 国立図書館アポ取れず

ロンドンからパリのお話に入るのですがその前に、、、、ロンドン最終日は優雅にホテルの英国式アフタヌーンティーをゆったりと楽しみました(ウィンブルドン期間限定バージョン)。そして夜便のユーロスターでパリに移動。高速列車で国境を越えられて楽チンでした。

パリ滞在中には国立図書館(Bibliothèque Nationale de France)の修復保存室を見学予定していましたが、ギリギリまで日時の連絡がなくて行けず。実はTRCCのリーフキャスティングマシンを作ったペア・ラウアセンの連続式リーフキャスティングマシンを見に行く予定でした。これはアジアでは唯一インドネシア国立公文書館にあります(アチェの津波被害の時に大活躍しました。ご存知ですか?)。連続式リーフキャスターはヨーロッパの多くの図書館や公文書館にあるもので少なくとも7台、おそらくもっとあると思います。 続きを読む パリ便01 国立図書館アポ取れず

ロンドン便04 建築アーカイブズ訪問

V&A museum正面ロンドンのビクトリア&アルバート美術館の別館にある英国建築家協会RIBA(Royal Institute of British Architects)の建築アーカイブズを訪ねました。アーカイブズコレクションの保存管理についてKurt Helfrich氏に案内してもらいました。

「ここは世界で一番大きな英国建築家のアーカイブコレクションを有しています」ときっぱり言われたのですが、まさにその通りでした。収蔵室は低温低湿にコントロールされており、図面だけでなく書簡や施工記録、スケッチブック、ドローイングや模型など1850年代から現代までの様々な建築資料が150万点保管されているとのこと。紙資料は保存箱に整理されていました。箱は800個以上あってベージュ色のシェルボックスと被せ箱タイプ、サイズ別に数種類で分類、G.RYDER社の安価な既成品で、量が多いので資料に合わせて採寸した箱を作ることはないとのこと。

続きを読む ロンドン便04 建築アーカイブズ訪問